「ズボン」と「パンツ」は、どう違う!?

「ズボン」と「パンツ」は、どう違う!?

ズボン? それともパンツ? 違いはあるの? いまは一般的に「ズボン」のことを「パンツ」と呼びますが、「ズボン」の語源やパンツとの違いを調べてみました。

「ズボン」の語源

「ズボン」の語源は諸説あるんだけど、いちばん知られているのが、フランス語で女性の下着を表す「ジュポン(Jupon)」。さらに「ジュポン」の語源は、アラビア語でゆったりした服を意味する「ジュッパ」らしい。

フランス語の「ジュポン」は、室町時代末期(というから1550年ごろかなぁ)、ポルトガル経由で日本に持ち込まれたそう。

当時、日本の女性は着物を着ていたから、着物用の肌着ということで「ジュポン」→「襦袢(じゅばん)」になったといわれています。

でもさ、「襦袢」と「ズボン」って全然違うよね。

少し納得できる「ズボン」の語源

もう一つ「ズボン」の語源といわれている説があります。

それは、フランス語の「ジュポン」とは関係なく、履くときに「ずぼん」と足が入るから。う〜ん、そうかなぁ。そういう気もしないでもないけど…と思いつつ、この説をちょっと裏付ける昔の記述がある。

明治時代の歌人で国文学者でもあった落合直文(おちあいなおぶみ)さんっていう偉い人がいたのね。落合さんが大正元年(1912年)に編さんした『言泉(ことばのいずみ)』という書物に「ずぼん、洋袴、幕末の頃、幕臣大久保誠知(おおくぼまさとも)といふ人これを穿(は)けば、ずぼんと言い初めたる語なりといふ」という一文があるそうです。

“履くときに「ずぼん」と足が入るからだよ”とまではハッキリ言い切ってないけど、幕臣の大久保さんが履くときに「ズボン」というのでそう言い初めたんだよということらしいっす。


スポンサーリンク

「ズボン」は日本語!?

そうなのです。大久保さんが言い初めたのかもしれないし、「ジュポン」が語源かもしれないけど、どっちにしても「ズボン」は日本語です。

外国人には通じないから注意してね。

「パンツ」との違いは?

基本的には一緒で、「ズボン」は日本でしか通用しない「パンツ」の呼び方ということです。

「ズボン」って、なんとなく古めかしいイメージがあるので、「パンツ」と言ったほうがいい気がしますね。

「パンツ」は下着じゃないの?

そうなんす。ややこしいのだけど、日本語・米語・英語で意味が違います。

《日本》
外に履くパンツ→「パンツ(pants)」または「ズボン」
中に履く下着→「パンツ(pants)」

《アメリカ》
外に履くパンツ→「パンツ(pants)」
中に履く下着→「アンダーウェア(underwear)」

《イギリス》
外に履くパンツ→「トラウザーズ(trousers)」
中に履く下着→「パンツ(pants)」

日本では、外に履くパンツも中に履く下着も「パンツ」なので、まぎらわしいときってあるよね。

さらに、アメリカとイギリスでも言い方が違うわけで。

アメリカ人に「Nice pants!」と言うのはオッケーだけど、イギリス人に言ったら変な目で見られちゃうから気をつけましょうね。


スポンサーリンク