2020年は中止が決定!隅田川花火大会のルーツ&「かぎや」「たまや」って?

2020年は中止が決定!隅田川花火大会のルーツ&「かぎや」「たまや」って?

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、中止となりました。

隅田川花火大会のルーツは、慰霊と悪病退散が目的!?

隅田川花火大会の歴史はめちゃめちゃ古く、いまから約290年前、1733年(享保18年)5月28日に行われた両国の川開きまで遡ります。その数年前から江戸では大飢饉やコレラの流行によって、たくさんの人が死んじゃってたのね。これはなんとかしなきゃと思った8代将軍・徳川吉宗さんが「大川端(現在の隅田川湖畔)で死者の霊を弔う『川施餓鬼(かわせがき) 』と一緒に、慰霊と悪病退散を祈る水神祭もやろうよ。そのついでに花火を上げればもっと効果的じゃん、川開きなんだからさ」と始めたのが花火大会のルーツだそうです。

もちろん「効果的じゃん」とか「川開きなんだからさ」という言い方はしていないと思うけど(あたり前)、徳川吉宗さんは「享保の改革」をして財政を建て直したり、庶民のことをすごく大切にしてくれるいい将軍だったと言われてるもんね。

「かぎや~」「たまや~」って、いったいなんのこと!?

徳川吉宗さんが「花火やろーぜ」と始めた頃は20発くらいのこじんまりとした催しだったけど、それを担当した花火屋さんが鍵屋。1659年に創業した老舗です。その7代目の番頭が玉屋清七(のちの玉屋市兵衛)さんで、のれん分けという形で1808年に玉屋を創業しました。最初玉屋は鍵屋の支店みたいなものだったけど、どんどんチカラをつけて、本店の鍵屋と競合できるくらいになったのね。江戸の花火屋さんといえば、鍵屋と玉屋と誰もが知ってる2大勢力に。
それで、べつに仲が悪いわけじゃないと思うけど(たぶん)、花火は別の場所から交互に上げない!? と、どちらかが言い出して紳士協定を結んだわけ。花火見物のお客さんは、「お、この花火はカッチョいいぜ」「あら、素敵な花火ね」と思ったときに、どちらかの業者名を呼んだのが「かぎや~」「たまや~」の掛け声の由来らしいです。

当時、鍵屋より玉屋のほうがすごく評判良かったらしいよ。でも、玉屋は1843年に火災事故を起こして江戸から追放されちゃった。そのため一代限りで断絶したらしい。
一方、鍵屋は日本最古の花火会社「株式会社宗家花火鍵屋」として東京・江戸川区で15代目が継承しています。

日本で最初に花火を見たのは、徳川家康!? 伊達政宗!?

一般的には、日本で最初に花火を見たのは徳川家康さんだと言われてるよね。とにかく新しいモノが好きだったらしいし、複数の文献に記述が残っています。でも、これには諸説あるわけで。


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1613年(慶長18年)8月3日、長崎にいたイギリス国王使節ジョン・セーリスさんが明の商人と一緒に徳川家康さんに面会して、献上した花火を8月6日に駿府城で見たことはさまざまな文献に残されているのね。このときの花火はいまの打ち上げ花火のようなものではなく、黒色火薬を詰めた竹筒からシュポシュポと火の粉が噴き出す単純なものだったらしい。
それを見て「おー、きれいじゃん」と感動した家康さんが三河の砲術隊に命令して観賞用の花火をつくらせたのが、日本における花火のルーツとされています。

一方、伊達政宗さんは、1589年(天正17年)。『天正日記』『伊達家治家記録』などの文献に「7月7日に外国人が3人来て花火をして、そのあと歌を歌いました。7月8日、外国人が花火を配って、伊達政宗様がやりました。見事でした。7月14日も7月16日も花火をしました」と記されています。
政宗さんは花火が相当気に入ったみたいで、何度も米沢の居城に外国人を呼んで花火をしていたらしい。「花火を配って…」と書かれているから、きっと僕たちが普段やっている手で持つタイプの花火だったんだろうね。

さらに、鎖国時代だったからちゃんとした記録は残ってないけど、『イエズス会日本年報』『フロイス日本史』には、大分県臼杵市のイエズス会聖堂にはいろいろな花火の仕掛けがあったと記されていたという説もあります。

誰が最初に見たのかはわからないけど、昔から花火は魅力的だったのは確かなことでしょう。

隅田川花火大会は中止になりました

隅田川花火大会は、慣例として毎年7月の最終土曜日に開催していますが、2020年は東京オリンピックの開催期間と日程が重なるため、下記日程にて開催することが決まりました。
残念ながら、東京オリンピックは延期になりましたが。。。

日時:2020年7月11日(土) 午後7時〜8時30分

会場は、2カ所

第一会場:桜橋下流~言問橋上流

第二会場:駒形橋下流~厩橋上流

第一会場では約10,360発、第二会場では約11,660発と合計約22,020発もの花火が打ち上げられる予定。約22,020発って、ちょっとスゴいよね。この数の多さが隅田川花火大会の特徴のひとつで、東京周辺の花火大会の中で最多だそうです。
また、第一会場では花火コンクールが開催され、第二会場では創作花火が打ち上げられます。第一会場の約10,360発には、コンクールの花火約200発が含まれています。

※小雨は決行しますが、荒天の場合は中止。開催するかどうかは、当日の午前8時に判断されます。


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